1 文化財とは?
文化財とは、日本の長い歴史の中で生まれ、育まれ、今日の世代に守り伝えられてきた貴重な文化遺産です。これは、日本の歴史、文化などの正しい理解のために欠くことのできないものであると同時に、将来の文化の向上発展の基礎をなす、国民共有の財産です。
日本の文化財は、国では文化財保護法、地方自治体においてはそれぞれ文化財保護条例などに基づいて保護されており、国や地方自治体・所有者・住民が一体となって、文化財を保護・継承し、積極的な公開・活用に努めています。
2 文化財の分類について
文化財にはさまざまな種類がありますが、国・地方自治体とも同様の分類がされています。
有形文化財
有形の文化的所産でわが国にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの、これらのものと並びに考古資料及びその他学術上価値の高い歴史資料を指します。
建造物・美術工芸品(絵画・彫刻・工芸品・書跡・典籍・考古資料・歴史資料)
無形文化財
演劇・音楽・工芸技術その他の無形の文化的所産でわが国にとって歴史上又は芸術上価値の高いものを指します。
民俗文化財
衣食住等に関する風俗慣習・民俗芸能及びこれらに用いられる物件でわが国民の生活の推移の理解に欠くことのできないものを指します。
無形民俗文化財(衣食住・生業・信仰・年中行事等に関する風俗慣習・民俗芸能)・有形民俗文化財(無形の民俗文化財に用いられる衣服・器具・家具その他物件)
記念物
遺跡で我が国にとって歴史上又は学術上価値の高いもの。庭園、橋梁その他の名勝地で我が国にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの。動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象を生じている土地を含む。)で我が国にとって学術上価値の高いものを指します。
遺跡(貝塚・古墳・都城跡・旧宅)・名勝地(庭園・橋梁・峡谷・海浜・山岳)・天然記念物(動物・植物・地質鉱物)
伝統的建造物群
周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いものを指します。
古い町並み・日本特有の建物の集まった宿場町・城下町・農漁村
文化財保存技術
文化財の保存・修理のために欠くことのできない伝統的な技術・技能を指します。
埋蔵文化財
土地に埋蔵されている文化財のことを指します。