■7月から9月は、台風が最も多く発生し日本に接近・上陸する季節です。台風とそれに伴う危険や家庭における備えについてお伝えします。
■台風はどこで生まれ、日本までやってくる?
台風の元になるのは多くの場合フィリピンの東の温かい海上で生まれる熱帯低気圧「発達した積乱雲が集まってできる渦」です。このような渦は地球の自転の影響で北西に進む性質を持っており、徐々にアジアの東部に近づいてきます。また、暖かい海からエネルギーを得て発達し、最大風速が17.2 m/s以上になったものが台風と呼ばれます。日本の近くまで北西進してきた台風は、一般的には偏西風の影響を受けて進路を北そして北東へと変え、たびたび縦断するように日本列島を通過していきます。
■台風によってどんな災害が起こる?
台風は中心に向かって反時計回りに強い風が吹き込んでいます。このため台風の進行方向右側では台風本体の移動速度が加わり特に風が強くなります。また積乱雲の集合体である台風は広範囲に長時間にわたり雨を降らせます。さらに台風の暖かく湿った空気は前線の活動を活発化させるため、前線がある場合は台風から離れた場所でも大雨になることがあります。海岸では、高波の他に台風の気圧が低いことによる吸い上げや強い風による吹き寄せで、潮位が短時間に上昇する高潮が発生します。
■温帯低気圧は油断大敵
台風は日本付近を北上するにつれ温帯低気圧に変化しますが、台風が運んできた暖気と北の寒気が混ざりあうことで再び急速に発達して、広い範囲で風や雨が強まることがあるので注意が必要です。
■台風や温帯低気圧の被害から身を守るには?
このような台風や温帯低気圧が近づいてくると、暴風によって屋根や看板が飛んだり、木が倒れて停電したりしますし、大雨によって土砂崩れや浸水、川の氾濫や橋・道路の損壊などが起こることがあります。また、海岸では高潮、高波により施設の損壊や大規模な浸水が起きることもあります。これらの被害から自分自身や家族の命を守るため、以下のことにご留意ください。
・ハザードマップでお住まいの地域で起こりやすい災害を把握するとともに、地域で指定された避難所や緊急避難場所などの避難経路を確認し、携帯電話が使用できない場合の連絡方法や災害時の集合場所について家族で話し合っておきましょう。
・水や非常食、常備薬、懐中電灯、ラジオなどの非常用品を家族がわかる場所に保管し、現金、預金通帳、印鑑、健康保険証など貴重品もまとめてすぐに持ち出せるようにしましょう。
・テレビやラジオ、気象庁のホームページなどで常に最新の気象情報をチェックして台風に備えましょう。
■詳しいことはこちらから
気象庁HP「台風情報」 http://www.jma.go.jp/jp/typh/